今月の本   0811号 人類の足跡10万年全史 スティーヴン オッペンハイマー 著


今回の本は、人類とは、歴史とは、倫理とはというものを考えさせてくれるものです。

現代科学知識に著者の考えを乗せて、人類の歴史が示されています。 そこで示された歴史の流れが、人類ー歴史ー生物学ー倫理といったものを 考えさせるいい教材となっています。

ただ、2次元の地球上で時代ごとにどうなっていくかという3次元の現象ですので、 本で著すのは難しく、丹念に読まないとわからないのが残念です。 (ですから今月の本も読みやすい本というより読んでおくべき本です。) これをもとに映像化したら大変おもしろい教材となるのではないでしょうか? (たまに、人類はどこからきたかというドキュメンタリーが放送されているので そういうものに反映されているのかもしれませんが、そういうものは ドキュメンタリードラマのテイストが濃くて頭に入りにくくなっているように 思います。そのようなタッチではなくもっと事実(もしくは想定)をならべていく、 カノッサの屈辱 形式の方でつくるとわかりやすくなるのではないでしょうか。 なにしろ10万年ですから並べる事項はやまほどあるのです。)

この本を読んでわたしとしてはいろいろ発見がありました。

まず、日本はよく単一民族といわれますが、 むしろ遺伝子の坩堝になっているということがおどろきでした。 人間というものは海岸沿いに移動するようで、 大陸(インドあたり)で遺伝子に変移がおきるたびに 日本や東南アジアの島々までその遺伝子が海岸沿いに素早くたどりつくようです。 アフリカからでた男系遺伝子の変移をこの本では3兄弟の名前で 著しているのですが、日本には、その3兄弟の遺伝子がいずれも あるのです。ちょうど旧石器時代人と縄文時代人と弥生人にあたる ようです。そして、特に貴重なのが、縄文人の遺伝子で 大陸で大噴火があって絶滅してしまったようで、 いまではエチオピア、チベット、日本、東南アジアにしか 残っていないようです。 その貴重な遺伝子が日本では50%ちかくもあるそうです。 神話や風俗に東南アジアに韓国中国より親近感を持つのも 当然のようです。歴史認識でももっと海洋交通に重きを 置かなければならないのでしょう。 また、一割ぐらいいる旧石器人の遺伝子を持つ方々を より大事にすることで、遺伝子の多様性を世界で一番 バランスよく保持することができる国となるのでは ないでしょうか?(アイヌ以前の方々がどこかの島や 村落に生き残っているのでしょうか? 先日日本テレビ系列の番組で新垣結衣 さんが母系で調べるとそのような 遺伝子を持っているようでした。やはり島々に多く生き残っているのでしょうか。) そうなると、今後おきるであろう新型インフルエンザなどの新しい疫病にたいして 日本人がより多く生き残れるようになることでしょう。 また、旧石器時代の遺伝子はよりアフリカの人達に近いので、 日本人でも短距離走で金メダルをそのうち狙えるかもしれません。

そして、中国も意外に長江の南と北で遺伝子が違うというのも 驚きでした。そういえば関口知宏 さんの列車紀行番組で南部と 北部で人懐っこさがだいぶ違うように感じていました。 ある意味人種が少し違っていたからだったのでしょうか? 歴史的に南北で勢力が異なる南北朝時代の状態が長いのですが、 地理的な要因だけでなく、 意外にそっちの方が妥当だったから、長続きしたのかもしれません。

このように、この本を読むと歴史認識にいろいろ新しい知見が生まれます。 また、当然生物学の知識も必要となります。 さらに、人間以外の人種が絶滅したのは、人間が滅ぼしたからで、 今でもアフリカで行われているというところなどは、 人間の倫理というものもかんがえさせます。 (フランスの一部で人類はネアンデルタール人と共生していたそうです。 そのまま、ネアンデルタール人の遺伝子が現代まで生き残れたらより 多様な遺伝子を人類は持つことができたのに残念です。 日本に多様な遺伝子が生き残っているのも、将棋でとった駒を また使うような、敵を全滅させるような風習があまりない ことも一因なのではないでしょうか。) そして、人間が地球の地学的な変動に大きな影響を 受けていることも、よくわかります。 (温暖化対策がいかに必要かが認識できるのではないでしょうか? よく、自然に温暖化しているからほっとけばいいというような 論調がありますが、ほっといたら大変なことになるのです。) ですから、この本をもとにわかりやすい教材をつくると、 多様な教科を一度に学ぶことができる大変よい教材となると思います。 どなたか挑戦してみられたらいかがでしょうか?

では、また来月に。

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では、また来月に。



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