今回ご紹介する本は、日常用いている仏教語を紹介している本です。
仏教というと、なんか古くさい感じがして敬遠している方が多いと思います が、この本を読むといかに多くの概念が仏教からきているかがわかります。 最近トリビアやうんちくといったものがブームですが、この本にはとても仏 教と関連しているとは思われないものがたくさん載っていますので、ネタ本 としても役立つと思います。そして、優しく解説されているので親しみを覚 えて、仏教について知りたい気になると思います。
それだけ仏教語が使われているのは、よく考えてみると当然です。明治以前 では、学問としてまた、宗教として大きな役割を果たしてきたのですから。 むしろ、最近ではあまりに仏教の内容にふれられることが少なすぎるように 思われます。もっと、仏教理論に親しんでもよいのではないでしょうか。 年始や法事では大部分の方が利用しますし、京都などを旅行すると当然仏閣 をまわることになりますから、そのような知識を知っておいた方がより楽し めますし、いろいろ発見をすることができると思います。
仏教は最初はお釈迦様がつくったのですが、そのあと多くの方の宗教的発明 や他の宗教の取り込みがなされて、今の日本の宗教となっています。ですか ら、そういう課程をしらべてみるのもおもしろいものです。
ただ、キリスト教には、阿刀田さんや犬養さんの本のような読みやすい入門 書があるのですが、仏教全体を大観できる読みやすい本はあまりないようで す。仏教全体を大観できるわかりやすい本がもっとでてきてほしいものです 。仏教は他の宗教と比較して多様な変化をしていますので、よりおもしろい 思想史の本になると思います。
また、宗教や哲学は生きていく上で重要な学問なのですが、同時にある意味 かなり危険な学問なので、初心者がいきなり入るには注意が必要です。文字 通り命を落とすことがあります。最近では聞きませんが、以前は哲学科の学 生の自殺などがよく報じられていました。思考が迷路に入り込む危険性があ るのです。そこでそのような場合の救命具としてお勧めなのが、老子や荘子 です。胡蝶の夢などは教科書にものっていますから、読んだ方もいらっしゃ ると思います。彼らの考え方は、発想や視点の転換を勧めるものです。映画 マトリックスで用いられている概念に近いので、哲学的薮の中で道にまよっ ても、彼らの考え方を身に着ければ、いきなり哲学的思考の頂上に抜け出す ことができます。(もっとも登山と同じで、ヘリコプターで山の頂上にたっ たからといって、その山を登ったことになるのかは、議論が分かれるところ なのですが。)荘子や老子の本を小脇に抱えて哲学や宗教的思索にはいれば 、迷路にはまってもさっと帰ってこれますから、安全に宗教や哲学の世界を 楽しむことができるわけです。ですから、老子や荘子の考え方をみにつけて から、宗教や哲学の世界を楽しむことをお勧めします。
では、また来月に。
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