今月の本 2304号  [新訳]ローマ帝国衰亡史 (PHP文庫)




(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)






今回はGWということもあって、じっくり本を読んでみるのもよいのではないかと思いこの本を選びました。

二百年前に書かれた ローマ帝国の歴史を一望できる名著です。 具体的にどうすごいかは前書きを読めばわかります。

そこに書かれているように 非常に読みやすいものなので 一度読まれることをお勧めします。 なにしろ西欧の教養の基礎となっていますから 西洋人と付き合う上でも理解するためにも よんでおくべき本です。 また、現代人にとって今後どうすべきかについても いくつもの視点から示唆をあたえてくれる 重要な本です。

たとえば、現在必要な認識としては平和は簡単に崩れるということです。 この本にもあるように西ローマ帝国が滅びるまで帝国が分裂して 80年しかかからないのです。 こういう歴史を俯瞰できる大著を読むと そういう場面がいくつもでてきます。 ちょっとしたことで崩れていくのです。 最近でも大正モダンの世から敗戦まであっという間です。 また、ユーゴスラヴィアでオリンピックをやって 数年後にそこが戦死者の墓場になると 誰が予想したことでしょうか?

前にも述べましたが、 平和を壊すのは簡単なのです。 大抵壊した方は 新たな秩序を作り上げる能力は持っていないのです。 ローマ帝国も漢帝国も滅びてからまた秩序ができるまで 何百年もかかっているのです。 なので常に平和を維持するように 我々は努力する必要があります。 それには普段から世の中が少しでも よくなるように我々一人ひとりが 行動することです。 ふつうのキリスト教徒はマホメッドも認めているように 良いことをしようとしていて その方向へ国策が動きやすいです。 ただ私が知らないだけかもしれませんが、 イスラム教はお金持ちがお布施して助けるまで にとどまっていて、公的に全体を良くしようという動きには つながっていないように思います。 そして、東洋は本来儒教において道とか徳とかの 概念でもって世界をよりよくするような教えは あるのですが、あまり実践されてきませんでした。 そして、その儒教自体が退化してしまって、 東洋の国の行動原理を変える力はなくなってしまって いるように思われます。 結局封建主義にも相性がよい資本主義だけが 受け入れられて、自らの利益を最大にすること だけが行動原理となってしまっているように思います。 しかも独裁国家の企業はある意味国家そのものですので 普通の企業や資産家以上の資本を動かせます。 ですから独裁国家により多くの発言権を与えるしくみになっていて 民主国家内で独裁国家の主張を後押しするために使われてしまうのです。 その結果、この本のローマ帝国に対する蛮族的な 位置にある国がどんどん増えて、 現在の世界の平和が失われる危機にあるようにしか 思われません。 前にも述べましたがウクライナの戦争でロシアが勝利したら それは新たな世界的な戦国時代に突入したとみて 間違いないと思います。 その結果それまでは戦前の日本のような行動は 許されないとしていた合意が、 壊されることで、紛争が世界中で発生することに なるのです。 戦後70年世界大戦がなかったことによる 世界中の人の利益は 空前のものだと思います。 それを絶後にしないためにも この本を読んでひとりひとりが 社会や世界をよりよくするために どうしたらよいか考えて行動していただきたい です。 (ちなみに、電脳空間はすでにまさに戦国時代です。 大手企業ですら障害が発生して記事になっています。 この世界ではまず、バグをなくすために、個人個人が 行動すべきでしょう。文系だからプログラムは わからないという人もドキュメントのまちがい はわかるはずです。こういうとAIにやらせよう という人がでてくると思いますが、 前にも述べたようにAIが人間にとって 正解の行動をとるかはわからないのです。 人間の命を碁石のように判断されたら 囲碁のうってがえしのような戦略を平気で採用してくる ことでしょう。なんらかの目的をもってソフトの説明書に バイアスをかけることもありえないことではないのです。 最終的には公正公平な心をもった人間が やるしかないのです。(実際GPTのAPIが有料で 使えるようになっていてそれを使った 相場売買アプリもあるようです。そこには人間の意志は 入る余地がないのですから、ある金融資産を上下させるために 全世界の人への回答にバイアスをかけても不思議はありません。 ニュースなどの説明だと質問からも学習しているようなので(最近それをできないようなオプションができたそうですが) あらゆる問題をひとつの頭脳で判断しているようですから 全員の気分を上げて売り上げをのばしたり下げて景気を冷やして 空売りでもうけるなど理論的には可能です。最終的には戦争や病気を増やして 保険料を上げると儲かる債権に投資するなど より悪質で人間生活を破壊できる策も世界中の人々とやりとりできてネット情報も収集できるAIには実行可能です。 ただアプリが儲かるためだけの目的のためにです。 ですから、前にも述べましたがいったんAI技術は禁止して 安全なところから解禁するべきでしょう。ようやくG7の議題に なったようですが、日本はAI技術が遅れているのに 禁止に反対しているようです。我々人類の安定した 生活のために、一旦AI技術は禁止するようにお近くの政治家や公務員に 説得されたらどうでしょうか。前にも述べましたがAIにとっての三日は人間にとっての30年 なのです。最悪AIが一瞬で人類を支配できてしまいます。コンピュータ技術者の経験もある 私からするとAIにとっての技術的な障害はもうなにもないのです。あとはAIがどう行動するか の危機的状況にあります。あらたな国際的な基準をつくるそうですがそれができるまで 前面禁止にするべきでしょう。) そして日本もそろそろ企業からのアプローチだけに 目を向ける政策決定から脱皮すべきでしょう。 実際それをやって日本人の給料が上がらなかった結果失われた 数十年に突入してしまったのです。ちゃんと他国みたいに デモでもして要求すべきです。さらに、 高度成長期のように企業内労組の委員長が社長になるような 多様な視点を持った人材を活用する人事を行うべきでしょう。 あのころは全体の最適解をめざそうという方が何人もおられました。 今は明らかに人間でない法人にだけ得な社会となっています。 山手線内に自宅のある上場企業の経営者は何人いるのでしょうか?)

では、また来月に。

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