今月の本  1304号 日本の「薬漬け」を斬る 内海聡・中村信也 著

(今回はメルマガ発行後の誤字脱字の訂正や状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)




今回ご紹介する本も、日本人が読むべきものとして 選ばざるをえませんでした。

というのも最近精神保健福祉法の改正案がでてきていまして そのなかでは、配偶者や親権者、きょうだいなど、いずれかの同意で入院させることが可能と させる改正が含まれているためです。 (ついでに調べたら、短期間なら親族の承諾なしでの入院も可能になっているようです。) (このメルマガ発行のあとしばらくして、ほとんど修正されずに成立してしまったようです。 ですから、下記の問題を防ぐためには身近でその法律の適用があったら周囲の人が その適用が正しいか監視してなにか問題があったらメディアなどに 知らせるなどの行動をとるしかないと思います。 3年後に見直すとあるのですがちゃんと見直して欲しいものです。 新聞を読むとまだ日本では第三者機関を設立できる状況にないとあったのですが であればこの法律の適用もそれまでやめるべきでしょう。 担当者の労務低減を人権よりも優先するというのは問題です。 もっとマスコミなどが問題化しないのでしょうか。)

おそらく医療現場からの手続きが面倒というような声に答えた ものなのでしょうが、法律的な影響力があまりに大きすぎます。 多方面への影響を考えて精密に法案を設計すべきです。

少なくとも本人が病ではないと否定している場合には 裁判所への提訴を医療側が拒否できないことを明記すべきですし、 (海外の刑事ドラマのように)入院時にそのむねを告知することを義務化すべきです。

なぜなら精神病は米国などで政敵のおいおとしに使われた形跡があります。 そんなばかなと思われるかもしれませんが、 今回の法案では弁のたつ医者一人と結託したら 親族のだれかを説得して入院させてしまえることでしょう。

この本をよんでみるとわかりますが、 精神病の薬は普通の薬と違いきわめて危険なものです。 普通の人が飲むと逆に精神が失調してしまうのです。 つまり誤診であろうが、意図的だろうが 一度入院させて飲ませたらある意味患者ができあがるので 入院の要件を満たしてしまうという恐ろしいものです。 実例はこの本の中にいくつもあります。 最近は警察もきがついてきたようで 普通の人に精神薬を与えた人を傷害罪でつかまえたり しています。それだけ危険なものなのです。 (昔芥川龍之介の歯車を読んでこんな異常な感覚になるのか とおもっていましたが、最近神経衰弱の薬を服用していたと知って 納得しました。北杜夫さんの躁鬱病も有名ですが あまりにすごすぎてこれも薬の後遺症ではないか と素人的に考えています。 (たとえば、ビルの間に渡した縄の上を歩けといわれたら だれでも緊張します。もしその緊張状態を止めさせたい のであれば縄からおろしてあげるのが一番です。 ところが精神病の治療ではえてして その縄の上でもどきどきしないように薬で抑えて しまうようなことをしがちです。それで縄をわたれたとしても 今度は平地でとてつもなく安心感がでてくることでしょう。 しかし人間の脳細胞のシナプスはあまりに大きな信号は 小さくするように調節する性質があります。ですから、 自動的に薬がある状況で普通の状態になるようにしてしまいます。 ですから薬の影響がきれると今度は平地でも安心感が得られない 状態となってしまいます。そこでまた薬に頼ると上記のサイクルがまた 働いて薬の影響がきれるとより精神が不安定となります。 おそらくそのような加速化が働いてしまって不安定になっているのでしょう。) 太宰さんも薬物を服用していたようですし、 ヒットラーも実は精神科の治療をうけていたというような TV番組もみたことがあります。 人間の脳に影響を及ぼす治療には 大きな危険があると思った方がよいと思います。 それでも時代が進んで、治療が確実にできるものも でてきたとはおもいますが、基本方針は 整形と同じように本人が望んだ場合に 性格を変えるために治療するようにするべきでしょう。 他人がみて妥当な性格にみんな治療するというのは すべての人間の顔を同じにするくらい不気味な行為ですし、 生物が多様性を失ったら生物としての活力すら失うことになるでしょう。 それなのに天才にはサヴァン症候群という病名をつけて まるで自分たちより優秀な人類は認めまいとしているとしか思われません。 小学生でもアスペルガー症候群とかいって 興味をもつことがあることを病気のように扱っています。 症状のひとつはひとづきあいが苦手だそうですが そんなのは性格の一種でしょう。夢中なものがある子供がそれに夢中になって ひとづきあいが苦手になるのはあるいみ当然です。 本人がもっと開放的な性格になりたいというのならば 治療するのもありでしょうが、かってに分類して治療するのは 上記に述べたように本人的にも社会的にも問題です。 だいたい少子化の今ひとつきあいが苦手が子が多いのは 当然です。そしてそういう性格を直すのに必要なのは 薬ではなく、昔よくホームの広告に赤面症を直しますとあったような 話し方講座でしょう。 小中学校のカルキュラムで一番問題なのは 義務教育で一生懸命覚えても役にたつのは 漢字と九九くらいというところです。 実際にはこのような話し方教室や 演技の仕方や上手なうそのつきかたなど 社会的に使えるもっと実用的なものを教えるようにすべきでしょう。 そういうことは教えないのに、おしえずにできるはずだとして できない子をすぐ病気と判断してしまうのは問題です。 (TVをみていたら小学一年生の授業中にすわってられない子をADHD と分類していましたが、幼稚園にいかずに入学して30分も椅子にすわって いる方が人間として異常です。そういう教育をうけて訓練をしなければ そうなるのは当然で、そういう子たちに病名をつけるのでは教育の欠陥を 病名でかくしているようなものでそういう教育を社会が許してはなりません。 昔私の頭の中には映画スタジオと映画館があったので 自分でいろいろ映画を頭の中でつくって楽しんでいました。 ただそのようすは外からみるとぼうっとしてみえたかもしれず いまならなんとか症候群とされて薬を飲まされてしまったかもしれません。 しかし、最近レストランでみるような、ゲーム機を一心にあつかっている 子供たちの方がよっぽど不気味にみえます。 やっていることは、あのゲーム機を頭の中で動かすか 機械にうごかされているかですから、 同じようなものです。そして、ゲーム機に動かされている今の子どもよりも 自分の頭でうごかしている方がよっぽど頭が訓練されることでしょう。 こういうことからもわかるように なんとか症候群は、天性のものよりも生活習慣や訓練の有無によって 脳の発達する部位の差があることで大部分がおきていると考えられます。 スポーツにたとえると 訓練して足がはやくなった分勉強が遅れた成績の悪い 陸上の選手をなんとか症候群として分類しているようなものです。 ですから修正するならばまず薬ではなく教育で行うべきなのです。 しかも本当に修正する必要があるかないか将来的にわからないのですから 長所と短所を教えた上で本人が判断するようにすべきです。) さらに今の日本の教育に必要だと思うものはクラス全員を相手にしても 正しいと思うことをきちんと主張して相手を説得する能力です。 民主主義国家では必須の能力でこれがないと なんとなく大勢にながされてしまい 船頭多くして山に登るというようなことになってしまいます。 東洋では孔子が争い事をなくすために 上のものにはさからうなということを 儒教の核にしました。そしてそれが 広まったので民主主義がなかなかうまく 機能しません。その点西洋は神と自分の1対1の 関係にあるので、正しいと思ったことは 神が常にみているという感覚なので主張しやすいのです。 文明が西洋で発展した一つの理由はそこにあると考えています。 ですからそういう感覚のない東洋諸国は 正しいことであれば大勢を前にしても きちんと主張する訓練をすることはとても大切です。 おそらく国力にかかわってくることでしょう。 和を尊ぶ日本ではさらに必要です。 そういう訓練をすればいじめもへることでしょう。 (いじめはだれがみても正しいことではないのですから。) 今の教育ではむしろそういう人たちを逆になんとか症候群として 排除してしまうのではないのか心配です。

多様な人間を認めることからこういう法律をはじめないと 国力はおち、他国の勢力に左右されるような とんでもないことになるでしょう。 多様な人間を認めることこそ、基本的人権をまもるということにつながり 現在の憲法の根幹思想です。 このような国力に直結した思想が ずっと改憲勢力が与党だったので 学校で十分教えられていないことこそ 日本の危機です。 改憲うんぬんの前にまずは憲法をきちんと義務教育で教えることから はじめるべきでしょう。 日本に好意的でない勢力もそれがわかっているのか さかんに改憲圧力がしかけられているように思われます。 (米国においても同様です。おそらく非民主主義国からのオペレーション なのでしょう。) 55年体制がくずれて米ソ対立がなくなって、米ソの意見を代弁する方は ほとんどいなくなりました。残ったのは台湾中国南北朝鮮の立場を代弁する 人たちのように思われます。おかげで、そのほとんどの勢力が、 せっかく現憲法が他の東洋諸国より日本を優位な位置に押し上げているのに、 改憲をあとおししているように見えます。 上にものべたように他人の意見に左右されずちゃんと自分の考えで 日本人が日本人のために物事を考えるようにしないと日本の将来が 大変なことになることでしょう。)

ですからこのような危険な法律をつくるときは法律的にそのような行為ができないようなしくみに 設計しておく必要があります。 そのためには上記のようなしくみはぜひ必要です。 知事や指定医が判断することにはなっているのですが、 ナチスのような政党がその県を牛耳ってしまったら この法律で邪魔者を排除することも余裕でできてしまいます。 またさらにより根本的な問題を改善するには、 そういう立場の人がそういう悪意を持ちにくくするために、以前述べたように まず診療報酬は完治したら払うという英国式にかえることです。 現在のような患者を増やすほどもうかるしくみをかえないと、 悪意はなくても病院の経営をつづけるために という理由でこの本のような悲劇は繰り替えされてしまうことでしょう。

政治家の人たちもこのような人権を大きく制限する法案は もう少し慎重に議論してほしいものです。 (まっさきに自分たちに使われる可能性もあるのですから。)

55年体制のときは 反対陣営があいてのあらをみつけようとして 大抵の論点が細かくチェックされたものですが、 今ではほとんどの党の政策的に差が なくなったためか、細かなことを十分考慮せずに 重要な政策がつぎつぎ決められているように思われます。

この問題以外にもネットで選挙活動する法案が可決しましたが 候補者が選挙公報をだせる権利があるように 政府の安全なホームページに 自分の意見を表示できる権利も 候補者に与えるべきです。 そうするとそこにツイッターなどの アドレスを書いておけば なりすましも防げます。 仮になりすましがなにか発信したとしても、 そのホームページで否定することで影響を 最低限にとどめることができます。 (実際米国の通信社のツイッターが最近乗っ取られましたが 別のアカウントをもう一つ持っていたのですぐに打ち消すことが できたようです。そういうことをやられる可能性があるのですから 正しい意見を表示できる安全なページを候補者に持たせる べきでしょう。そういう妨害行為に対して罪状をきめてはいますが 敵対勢力の諜報機関のようなところには 効かないことでしょう。)

では、また来月に。

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