今月の本   1206号 琉球の風 陳 舜臣 著
(今回はメルマガ発行後の状況の変化や説明を加えたい点について随時加筆しています。)




今回は歴史小説にしましたが沖縄ものなので 時事問題に無関係ではないです。 琉球がどのように日本に組み込まれていったか がわかると思います。 NHKでやっていたドラマ・テンペストもみると 沖縄の歴史がよりわかることでしょう。

特にこの著者の海外まで含めた視点が新鮮でした、 あれだけ鎖国をしようとした幕府が よく薩摩の侵攻を許したものだと思っていましたが、 明との国交を復活する手立てとしてという みたてに納得しました。 また、中国に独立国とみせるために 日本の風習を禁止したということなども、 そのあとのテンペストの光景にすなおにつながって 納得できました。

沖縄ではこれらのできごと以外に沖縄戦の悲劇もあります。 もっと日本の本土の人が援助してもよいと思うのですが 基地問題をはじめとしてあまりに負担を多くさせているように 思われます。 民主党は増税に再稼働など不人気な政策をいくつも平気でやっているのですから 日本のどこかの県が反発してもそこに海兵隊基地を移すぐらいのことこそ やるべきでしょう。どうせ選挙したら負けるのでしょうから 正しいことをやるべきでしょう。個人的には ハウステンボスか宮崎の倒産したリゾートにしたら 米兵の人もよろこぶのではと思っています。 (ついでに日韓の恒久平和を考えたら 竹島を両国が無期限に米軍に貸し出してそこにうつってもらうというのもありだと思います。 両国の右翼が反発するので両国政府はなかなか踏みきれない でしょうが、日本が竹島の所有権を主張するたびに 韓国のひとは戦前のことを想起してまたせめられるのでは とおもって身構えるでしょうし、日本人としても韓国が占領施設を 強化するたびに反韓意識が高まって、結局このままでは隣国なのに 永遠に真の友好関係を築けないということになってしまいます。 竹島は軍事的に要所なので米軍にとっても悪い話ではないと思います。 キューバの米軍基地のような使い方ができるのではないでしょうか。) マスコミの論調にはほとんどこういうものがないのですが、 沖縄の慰霊の日の社説にはそのような主張がみうけられました。 ぜひマスコミがそういう風をつくるべきでしょう。 なにしろ日本のすべての国境に紛争をかかえているのです。 前にも書きましたがそのような状況は第三者が関わっている可能性が高いのです。 当事者同士は解決する努力をすべきでしょう。

(ちなみに前月憂いた再稼働はきまってしまい、 他国への輸出もきまりそうとか、まったく日本人は 原発のような危険なシステムを運用する能力は ないようです。 大前氏のメルマガでは説明をうけて安全と確認したということでしたが 値段をみると安いまんまです。普通あらゆるリスクを考慮すれば 一兆円前後の費用がかかるはずです。 そもそも福島の原因を究明できていないのに再稼働や輸出はありえないでしょう。 輸出するものも政府がちゃんと安全か検査しないかぎり輸出できなくするべきです。 輸出して事故をおこしたら日本政府も責任をのがれられないのですから。 原子力委員会の委員長ですら、きちんと実機試験を行って 原因の究明を行うべきだといっているのに それがすすむようすがないのが不思議です。 新規炉や再稼働の炉でも実機実験しなければ 安全は確認できないはずなのです。 (ちなみにエラーがなっても問題無しとしてそのまま再稼働作業 が続けられているのも問題です。センサーの誤動作は何重かの安全策の そのひとつが場合によっては使えないということを意味します。 運が悪ければ大事故になってしまいます。そして大事故は 運が悪いことが重なったときにおきるのです。原子力業界の人は マーフィーの法則を知らないのでしょうか。(TVでフィンランドの原発のようす が写されていましたが、ほぼ海面と同じ高さにあるようです。ああいうところでは 氷河崩落や崖が崩落して津波がおきやすいのですが おそらく対策は考えていないのでしょう。 (一兆円近い原子炉なので大丈夫と思っているのでしょうか、 しかし設計ミスや施工ミスがあって安全装置がうまく動かない ことを考えて津波も防ぐようにしておくというのがフェイルセーフなのですが。) 当然小惑星が近くにおちることは さらに何も考えていないのでしょう。核を扱う能力がないのは 日本にかぎらないようです。)) おそらく値段を安くするために省略されてしまって いるのでしょう。京でもまだ原発システム全体のシミュレーションは できないですし、かりにできても施工ミスの確認もできません。 とにかく何かあったら日本や世界が滅びかねないという 慎重さがまったくみられないのは困ったことです。 最近の政府や野田さんや細野さんの説明は福島のようなことは おきないと確認しましたといって一切どのように確認したのかの 説明がなくなっています。原子力基本法の民主・自主・公開の平和利用3原則 に違反しています。その意味からもただちに全炉廃炉すべきなのです。 (再稼働に賛成している方は本当に報告書を読んでいるのでしょうか 保安院や福井県の報告書をみるだけで多数の問題点が見出せます。 その上説明がないのでは、いままでと同じ問題点を指摘しなければ 問題がおきないという言霊安全神話によって原子力行政が 行われようとしているとしかみえません。極めて危険です。 すくなくとも賛成する方は報告書を全部読んでから 賛成してほしいものです。いままでと同じように 専門家にまかせたいと思われるかもしれませんが 報道にあるように利益供与されている人ばかりなので 結局誰も判断していないという状況になる一番危険な状態のままになるのです。) (http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2812%2960815-0/fulltext 参照。最近芸能人の訃報があまりに多いとは思わないのでしょうか。 チェルノブイリのときでさえ多数の有能な方がなくなられました。 当然予測できたことです。上記URLの記事では30ミリグレイ=約4mSvの γ線の被爆で白血病になる確率が5mグレイ以下の人の3倍、 50〜75ミリグレイ=約0.5〜0.75mSvの γ線の被爆で脳腫瘍になる確率が5mグレイ以下の人の3倍だそうです。 100mSv以下の被爆は問題ないというような 報道や政策はそっこくやめてほしいものです。 (そもそも100mSv以下の場合は影響が確認ない というのも文言上と数学上のレトリックをつかったミスリードです。 まず影響が確認できないのは影響があるともないとも 確認できないというのが正しい言い方です。 影響がみられたと統計上確認できないとしても 同様に影響がないと統計上確認することもできない 状態にあるのです。つまり もっとわかりやすくいえばわかりませんというのが 文言的には正しい言い方です。 ただ、数学的にはもうひとつからくりがあって ようするにその精度までしらべるだけの サンプルがありませんというべきものです。 統計の精度を一桁あげるには二桁以上多くのサンプルを 調べる必要があります。ですから低線量被爆のような場合には 4桁から5桁以上の半導体工場なみの精度が必要 (それでも対象が一億人なら数千数万の被害者が簡単にでてしまいます。) なのですが そこまでの調査は行われないので統計的にはしらべられない というのが数学的には正しい見方で、ようするに調査の 不足をしめしています。こういえば政策担当者がもっと 調査するはずなのですがなぜか上記のような調査にさも 問題がないかのような文言を言うので、いっこうに被害が明確化されないのです。 (実際には上記論文のようないくつか多数のサンプルを研究した論文が あるのですが)) 上の例はシーベルト表記は放射線をうける組織の影響の受けやすさである 組織荷重係数をかける実効線量表記を用いることによってグレイより小さい値になりやすい という特徴をつかっています。 シーベルトで小さいからといって安心はできないのです。 発表をみていると シーベルトの単位が等価線量と組織荷重係数をさらにかける 実効線量があることを利用して被曝量が少ないように みせているように思われます。(特に甲状腺被爆など) ですからこのようなニュースのときにはつねに 組織荷重係数をかけた値を求めてニュースの 表記がどちらでも理解できるようにしておくべきです。 (なにしろほとんど明記されていません。 マスコミも等価線量を扱うときはグレイの単位で表記した方が間違いが ないと思います。(どうせ中性子などの景況は大抵考慮外(ウランが大量にばらまかれた 現状では本来考慮すべきです。)なので 等価線量と大抵一致します。))。) その危険と比べたら停電の危険の方がはるかに小さいです。 実際雷でよく地震がおきますし、東京では川を進むクレーン船が 送電線を切ってしまい都内大部分が停電するなんてことも おきています。そしてそういうときに東電が保証したということもありませんでした。 そんなに喧伝されるほど安定した電力が 送られているわけではないのです。今回特別に停電の恐怖をいいたてるのは おかしなことです。しかも最大に気温が上がった場合にそうなる可能性が あるというせまい条件の中です。夏は昼がピークなので 原発の分太陽電池を並べればすむ話です。大飯原発分だけなら 数千億程度でしょう。燃料費3兆円や原発の改修費や整備新幹線の何兆円よりはるかに少ないのです。 しかも新幹線と違い(おそらくもとはとれないでしょう。) 十数年でもとがとれます。なぜその努力をしないのでしょうか。 しかも東京の経験では省エネでエアコンの使用が減ると 町全体の気温が下がります。熊谷などの 東京の熱波が届く地域などはさらに下がるようです。 ですから関西も省エネすれば一昨年のあつい夏は くることはない可能性が高いのです。 (結局エアコンは部屋を冷やして町を熱くしているのです。 太陽エネルギーで発電する太陽電池以外のエネルギーを使うと 街中でたき火しているのと同じことになります。ですから外気は 最近は信じられないような暑さになっているのです。))

ちなみにこの本自体はたいへんおもしろい 歴史小説なので難しいことを考えずにたのしく読めます。

では、また来月に。

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